故斎藤英四郎さんの相続と無記名割引債

『旧経団連の元会長で新日本製鉄名誉会長だった故斎藤英四郎氏から相続した遺産のうち16億円余を隠し、相続税約9億8000万円を免れたとして、東京地検特捜部は8月11日、長男の斎藤英樹・元同社常務(62)を相続税法違反(脱税)の罪で在宅起訴した。英樹元常務は容疑を認め「父が公にしておらず、隠したい財産なのだろうと思った。父の名誉を考え、申告しなかった」と供述しているという。 英四郎氏は02年4月に90歳で死去。調べでは、英樹元常務は姉とともに引き継いだ相続財産を38億9200万円と申告すべきなのに、このうち姉の相続分を含む計約16億3000万円を隠し、相続税約9億8000万円を脱税した疑い。隠した財産は無記名の割引金融債や現金などで、東京国税局が昨年、刑事告発していた。隠していた割引債は、英四郎氏の妻が99年10月に死去するまで貸金庫で管理。その後は、英樹元常務が自分の知人名義の貸金庫や自宅で管理していた。 英樹元常務は調べに対し、「割引債の存在を知ったのは母の死亡時だった。父に尋ねたが、詳しく語らなかった」と供述しているという。 特捜部によると、割引債は少なくとも70年代には購入されていたとみられる。英四郎氏は高額納税者で、財産明細をつけて個人所得を申告する必要があったが、明細にはこれら割引債の一部しか記載されていなかったという。英四郎氏は新日鉄の社長や会長を歴任。86年5月〜90年12月には旧経団連の会長を務めた。(以上朝日新聞より)』

相続の専門家からこの記事についてのコメントを書きます。無記名の割引金融債は税務調査のときに一番問題になるものです。無記名だからといって分からないという事はありません。特捜部でなくとも税務署の調査でも、無記名の割引金融債の存在が推定される時は、調査は厳しくなります。理由は隠したいと言う以外に割引金融債を持ちたいという理由がそんなに見当たらないからです。刑事告発にまでならないように、相続税の申告時に、打つべき手は無かったのでしょうか?幸せなキャッシュフローの専門家としてはあるような気がしています。


記:資産家を応援する相続・相続税の専門家:天野隆。454。(幸せなキャッシュフロープロジェクト)(もめない・もめさせない遺産相続プロジェクト)

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