2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

建築協力金の専門家としての留意点。その1

建築協力金 (建設協力金とも言います)付きの建物賃貸借契約書を見ていて、土地所有者側で見ると、専門家として感じることがあります。自分でお金を借りて(または自己資金で)建物を建てるやり方と比べて、有利不利を検討する必要があります。気になる点は…

余剰容積率の移転と相続税の評価。その3

財産基本通達では(余剰容積率を移転している宅地又は余剰容積率の移転 を受けている宅地)の定義を次のようにしています。23−2 前項の「余剰容積率を移転している宅地」又は「余剰容積率の移転を受けている宅地」とは、それぞれ次のものをいう。(平3課…

余剰容積率の移転と相続税の評価。その2

23 余剰容積率を移転している宅地又は余剰容積率の移転を受けている宅地の評価は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる。(平3課評2−4外追加・平11課評2−12外改正) (1)余剰容積率を移転している宅地の価額は、原則として、11≪評…

余剰容積率の移転と相続税の評価。その1

余剰容積率の移転とは例を上げますと、保全すべき歴史的建造物の立地する敷地で未利用となっていた容積率を、他の特例敷地で有効活用する場合です。具体的には、再開発地区では、神社との共同開発で敷地内の神社は容積率を600%などは必要としませんので、隣…

基準地価から見る土地の値段。その3

全国の商業地の高額地点第1位は明治屋銀座ビル(銀座)です。1平方メートルで1900万円。前年度比較で26.7%の上昇です。2位は東京商工会議所ビルディング(丸の内)で、1860万円。前年度比較で16.3%上昇です。私達相続税の専門家は、公示価格・基準地価の80%が…

基準地価から見る土地の値段。その2

基準地価とは、7月1日時点の土地の正常価格のこと。正式には都道府県基準地標準価格と言う。公示価格は国(国土交通省)が毎年1月1日時点の土地の価格を調査するのに対し、基準地価は各都道府県による7月1日時点の土地価格の調査であり、9月下旬に公表されま…

基準地価から見る土地の値段。その1

国土交通省が2006年9月19日付で発表した2006年の基準地価(7月1日時点)は、東京、大阪、名古屋の3大都市圏で商業地に加えて住宅地も上昇、平均地価は1990年以来、16年ぶりに上昇しました。東京都区部は19年ぶりにすべての調査地点で上昇。景気回復による…

配偶者の税額軽減と農地についての納税猶予。その3

配偶者の方が農業相続人になったほうが有利か?配偶者が農業相続人にならず配偶者以外の方が農業相続人となったほうが有利か?という問題が生じます。遺産分割の時に、税法、特に配偶者税額軽減と農地の納税猶予が重なり合い複雑な計算となります。さらにプ…

配偶者の税額軽減と農地についての納税猶予。その2

さて実務上注意が必要なのは、納税猶予を受けられる人は、相続税の額があるものに限られるということです。配偶者に相続税の額が無い場合は受けられません。遺産分割のときに留意すべきことになります。参考になる通達を掲げます。 (納付すべき相続税額が算…

配偶者の税額軽減と農地についての納税猶予。その1

配偶者の方が農業相続人になったほうが有利か?配偶者が農業相続人にならず配偶者以外の方が農業相続人となったほうが有利か?という問題が生じます。遺産分割の時に、税法、特に配偶者税額軽減と農地の納税猶予が重なり合い複雑な計算となります。納税猶予…

国税の財産評価の改正に意見が言えますその3

2007年1月1日以後に相続等により取得した財産の評価を決める「財産評価基本通達」の一部改正(案)に対する意見公募手続があります。提出方法は郵便・FAX・インターネットで出来ます。 【御意見の提出先】 ○ 郵便等による場合 〒100−8978 東京都千代…

国税の財産評価の改正に意見が言えます。その2

このブログを読んで下さっている資産家の方の中には、土地の評価のことを詳しい方がいらっしゃいます。土地を持っている方ほど、土地の鑑定評価のこと、実勢価額のこと、建築基準法の事、開発要綱の事、利用制限、等詳しい方も多いのです。当事者の意見には…

国税の財産評価の改正に意見が言えます。その1

2007年1月1日以後に相続等により取得した財産の評価を決める「財産評価基本通達」の一部改正(案)に対する意見公募手続があります。これは2006年9月5日に公表され、期限は10月4日(水)までです。今回は奥行価格補正率表等の改正が案に盛り込まれています。こ…

農地の納税猶予制度の実務。その3

配偶者が一次相続において農地を相続して、納税猶予を受けますと、配偶者の将来の死亡によって納税猶予の免除が確定します。その後は農業相続人たるご長男が、その土地について、農業を続けるか、農業を廃止するか選択が出来ます。実務は1次相続税と2次相続…

農地の納税猶予制度の実務。その2

農地の納税猶予の規定の適用を受けるためには、相続税の提出期限までに農業相続人がその農地を取得し、かつ農業経営を開始するなどの要件を満たす必要があります。まずは申告期限間までに遺産分割が整わないと適用が受けられません。ここは時間との戦いも出…

農地の納税猶予制度の実務。その1

農地等を相続した相続人が農業を継続する場合には、農地等の価格のうち農業投資価格を超える部分に対応する相続税については、一定の要件のもとに、納税猶予期限までその納税が猶予されるとともに、納税猶予期限まで納税が猶予された相続税は原則として免除…

預貯金残高の妥当性その3

私たち相続続の専門家も、お手伝いをしていて気づきます。ノウハウから導いたナレッジがあります。資産規模から 生活習慣から 収入と支出から 資金繰りから 等々を見ますと見当がつきます。税務署に言われそうなら、事前に私たちの口からお客様に問題提起す…

預貯金残高の妥当性その2

相続税の申告書を見て、税務署は預貯金が少ないと気付きますと、調査を厳しくします。 無記名の割引債がないかどうか? 家族名義の預金で増えているのはないか? 海外に持ち出してはいないか? 郵便局にないか? 遠隔地の預貯金はないか? 等々です。 記:資…

預貯金残高の妥当性その1

相続税の専門家の特性の一つに、確定申告等を拝見すると、相続税の申告をした預貯金残高が、税務調査で問題になるかどうかの、見当がつくことです。税務署は何を気にするでしょうか?それはその方の所得があり、 所得税と住民税を払い、 生活費を控除して、 …

海外送金と相続税その3

以上述べてきたように海外への資産の移転が多いことも事実です。グローバル化というのは、お金国境は無いと言うのも事実です。一方税務署は送金を送金時に提出される調書で把握しています。海外に送金されたお金がどうなっているかが相続時の計算で重要とな…

海外送金と相続税その2

1998年税制改正で1998年4月からの改正外為法施行に伴い海外送金は税務署へ国外送金等調書が提出されます。 国外送金等に係る調書の提出等に関する法律(1997年(平成9年)法律第110号制定)が施行され、金融機関等を通じて国外へ送金し、または、国外からの…

海外送金と相続税その1

金融のグローバル化で資産の国外移転が注目されています。相続税の話題では海外の財産も通常課税対象になります。相続などで財産をもらったときに、日本国内に住所がある場合は、日本国内、日本国外を問わず、もらった財産のすべてが相続税の対象になります…

主要各国の相続税の比較。その3

お客様から「日本の相続税は諸外国に比べ高いのですか?」と聞かれます。「ヨーロッパにはお城が残っていますが…」と言葉を継がれます。一概に比較は出来ませんが、わかっているところで、5カ国で比較をしていきます。死亡者に占める課税件数の割合を課税割…

主要各国の相続税の比較。その2

お客様から「日本の相続税は諸外国に比べ高いのですか?」と聞かれます。「ヨーロッパにはお城が残っていますが…」と言葉を継がれます。一概に比較は出来ませんが、わかっているところで、5カ国で比較をしていきます。税率はどうでしょうか?最高税率の高い…

主要各国の相続税の比較。その1

主要各国の相続税の比較。その1 お客様から「日本の相続税は諸外国に比べ高いのですか?」と聞かれます。「ヨーロッパにはお城が残っていますが…」と言葉を継がれます。一概に比較は出来ませんが、わかっているところで、5カ国で比較をしていきます。配偶者+…

完全無議決権株式の相続税法上の評価。その3

中小企業基盤整備機構が事務局となっている「事業承継協議会」の事業承継関連会社法制等検討委員会が、2006年6月12日に中間報告を発表しました。その中で、完全無議決権株式の相続税法上の評価については、原則的評価方式から20%評価減を行うことへの意見…

完全無議決権株式の相続税法上の評価。その2

中小企業基盤整備機構が事務局となっている「事業承継協議会」の事業承継関連会社法制等検討委員会が、2006年6月12日に中間報告を発表しました。その中で、完全無議決権株式の相続税法上の評価については、原則的評価方式から20%評価減を行うことへの意見…

完全無議決権株式の相続税法上の評価。その1

中小企業基盤整備機構が事務局となっている「事業承継協議会」の事業承継関連会社法制等検討委員会が、2006年6月12日に中間報告を発表しました。その中で、完全無議決権株式の相続税法上の評価については、原則的評価方式から20%評価減を行うことへの意見…

国税優先の原則と公売と抵当権その3

ではどんな時に国税優先の原則が出てくるでしょうか?国が税金未納に対抗して、差し押さえた土地を公売にかけます。公売とは国税徴収法の第九十四条にこう定めています。「税務署長は、差押財産を換価するときは、これを公売に付さなければならない。公売は…

国税優先の原則と公売と抵当権その2

なぜ抵当権を設定しているのにその前に抵当権を設定していない国が優先するのでしょうか? その規定は、先に述べた国税優先の原則に加え、国税徴収法の第16条には次のように規定されています。 (法定納期限等以前に設定された抵当権の優先) 第16条 納税者…