寄与分の実務4形態その3

民法では相続人のうち、故人の生前における財産の維持や増加、あるいは故人の療養看護などに特別の貢献があった者については、遺産分割において、法定相続分によって取得する額を越える遺産を相続できると定めています。このように、被相続人に寄与をした相続人が得る利益のことを寄与分といいます。寄与分の額については、原則として相続人間の協議によって定められますが、協議がまとまらないときは、寄与をした者が家庭裁判所に対して寄与分を定めてほしいと申立てできます。寄与分は相続人だけに限られます。

では寄与分の実務を民法904条の2を参考に探っていきましょう。

3.被相続人の療養介護。療養介護とは病気の被相続人の世話をすることであります。それによって財産の増加はありえませんから、財産の減少を免れる場合が考えられます。審判例としては、10年以上認知症が目立った被相続人の療養介護に尽くした相続人に費用を免れたとして1180万円を寄与分として認めたものがあります。2年半つきっきりで世話をした相続人について通常の扶養を超える部分の評価として120万円を認めたものがあります。相続人間の話し合いではここがもめるところです。配偶者が看護した場合は、夫婦間の協力扶助義務の履行に過ぎないから「特別の寄与」にあたらないと考えられているようです。介護状態になって一人の人間として正常な生活が出来ない事を他の相続人が認めた事例、ヘルパーさんに頼んではないかと他の相続人が認めなかった事例等があります。


記:資産家を応援する相続・相続税の専門家:天野隆。790。
(幸せなキャッシュフロープロジェクト)(もめない・もめさせない遺産相続プロジェクト)

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