相続税は50年ぶりの大改正。その3

今の「法定相続分課税方式による遺産取得税方式」ですと、各相続人は自己が取得した財産だけではなく、他の相続人等が取得したすべての相続財産を把握しなければ、自己の納付すべき相続税額の計算ができないことになります。この結果、紛争等がありすべての財産等を把握できない場合には、適正な申告を行うことができないという主張がありました。一人の相続人のために、他の相続人と資料入手で交渉するという現場を多く経験したのも事実です。

また、共同相続人の一人が過少申告であった場合、後日の修正申告等に際して他の共同相続人も税額が増加し、過少申告加算税等が賦課されるという不合理な結果が生じています。

個人主義的考え方が強まった今日では、現行の相続税の課税方式と一般の国民感覚とは乖離していると言わざるを得ないという意見も確かに強いものです。過去のように、相続人が互いに協力して仮装分割等をすることも少ないと考えられます。

さらに一人の税制の恩典が全体に及ぶという弊害も指摘されています。小規模宅地の評価減や今回導入される未上場株式の納税猶予もそれに該当します。

こう言えば変化も合理的と見えます。ただ実務上では、多くの疑問や課題が存在すると思われます。この稿でも、今後50年ぶりの大改正の問題点、留意点、相続対策に与える影響等を取り上げて行きたいと思っています。


記:資産家を応援する相続・相続税の専門家:天野隆。1377。
(幸せなキャッシュフロープロジェクト)(もめない・もめさせない遺産相続プロジェクト)
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