どうなる基礎控除!? その2

基礎控除額の引下げ理由として様々な理由があると考えられますが、税制調査会で議論されている内容を中心にまとめるとポイントは5つあると思います。
(1)地価の下落
相続税基礎控除額は中間層の個人生活の経済基盤を損なわないようこれまでは、主として地価の上昇に伴い引き上げられてきました。しかし、現在の地価はバブル期以前の水準まで下落しており、地価の下落により相続税の負担は軽減されてしまうことから、基礎控除額は下げるべきであると主張されています。
(2)高齢化
高齢化の進展により相続発生時の相続人の年齢も高齢化しているものと考えられ、相続財産の取得がライフサイクルの後半にシフトしていく結果、相続財産が相続人の経済的基盤を形成する意味合いが相対的に薄れていると考えられています。
(3)格差社会
基礎控除額の引下げが、世代を超えた格差の固定化の防止につながると期待されています。
(4)老後扶養の還元(給付と負担の調整)
今日では公的な社会保障制度が充実し、老後の扶養を社会的に支えているが、このことが高齢者の資産の維持に寄与しています。そこで、被相続人が生涯にわたり社会から受けた給付に対応する負担を死亡時に清算するという考え方に立てば、相続税は遺産が相続される時にその一部を社会に還元することによって、給付と負担の調整に貢献できると考えられています。
(5)基礎控除額の定額部分の意義の低下
現在の基礎控除額の定額部分は、分割困難な農家及び中小企業の相続を考慮し、一定額を基礎的に控除する趣旨で設けられたがその後の各種特例の整備に伴い、当初の意義は低下しています。
以上、相続税を取り巻く環境を踏まえ、「広く薄く」の観点から基礎控除額の引下げが検討されています。


記:資産家を応援する相続・相続税の専門家:税理士法人レガシィ 柴田健次 1408
(もめない・もめさせない遺産相続プロジェクト)
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